企業が株式を介して資金を調達する場合、一般には「新規上場(IPO)」を行う。
そのプロセスを簡単に説明しよう。
IPOの発表とブックビルディング
まず、企業が新規上場する旨が発表され、東京証券取引所のサイトにも公表される。
そして、主幹事証券会社と副幹事証券会社を通じて、投資家を募ることになる。
新規上場する企業はこのようにして、資金調達先を探すわけだ。
投資家サイドからすると、新規上場する株式を買うためには、「ブックビルディング」と呼ばれる予約を入れる必要がある。
そして、どれくらいの値段でどれくらいの量(何株)買いたいのか、ということを事前に宣言する。
その際、新規上場する株式には、ある程度の値幅で仮の値段が付けられている。
証券会社側としては、新規上場株式をたくさん売りたいという思惑があるので、この仮の値段は割安の場合が多いようだ。
ただ、新規上場時に株価水準が高い場合には、当然新規株価も高くなる。逆もまたしかり。つまり、相場環境にも左右されるということだ。
その時の相場水準と比べて、割安の場合が多いというわけである。
[ad-in-article]公募価格の発表と抽選
公募価格は、ブックビルディングにおける予約の値段をもとに決まる。
多くの場合は抽選を経て、新規上場の株式の買い付けが行われることになる。
そして、
「全ての当選株数」×「公募価格」-「諸費用」=新規上場企業の資金調達額
ということになる。