母語が日本語である人が、英語などの外国語を学ぶ際に意識しておくべき事柄に「音素の数」の違いがある。
音素とは、簡単に言えば、語を音で認識する際の最小の要素のようなものだ。
この音素、日本語では20だと言われているが、多い言語だと50ほどあるらしい。
日本語は、漢字など表意文字を使っていることもあり、目に頼る部分が大きい言語である。そこから、音素の数も少ないのではないかと思われる。
ところが、英語などアルファベットのような表音文字を使う言語では、音が関与する部分が日本語に比べて圧倒的に多い。
そのために、日本人では聞き取りにくい英語の r と l との違いなどが出てくるわけである。
この音素の違いによる音韻体系の違いは、しばしば日本人が英語の習得を苦手とする原因として指摘される。
音声学(フォネティックス、phonetics)の重要性
最近では、英語学習において「phonetics」という言葉がよく聞かれるようになった。
関連する本も多数出版されているようである。
この phonetics を学ぶことにより、音素が少ない日本語を母語とする人でも、英語の発音がうまく理解できたり、操れたりできることが期待されている。
言語は発音が基本
特に英語のような表音文字を使う言語を学ぶ際には、phonetics のように音声学的は重要である。
そもそも、多くの言語の成り立ちから考えると、発音が先に存在し、その発音された言語を記録するために文字が発明されたわけである。
ところが、文字だけの学習に集中し、発音をおろそかにするようでは、本末転倒のような気がする。
「自分は外国語の本を読むだけだから、発音は必要ないよ」という人でも、やはり発音の習得は重要であると思う。発音、もしくは音声学という土台があった方が、言語習得のスピードも上がると思われるからである。
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